2022年12月04日

恐怖の消費税シリーズ!#07「戦う現代貨幣理論!財政破綻論の最後!」


【予告編】消費税の導入理由は赤字国債、でも政府の赤字はみんなの黒字(byMMT)で無問題!「財政破綻論、死んじゃった」「その方がええんじゃよ」

1989年(平成元年)に消費税と称される付加価値税が導入された背景には、その前の昭和時代を知る必要があるだろう。昭和の税制は所得税や法人税等の直接税がメインで、間接税はごくわずかだった。そして、直接税には累進性があり、富める人からは多く、貧しい人からは少なく徴収するという設計になっていた。
戦後の高度経済成長期は物価も所得も上昇したため、必然的に皆の税率が上がっていく。そこで、昭和40年代前半(1965〜1970年頃)には毎年のように所得税減税が行われ、昭和40年代後半(1970〜1974年頃)には今度はオイルショック等による不況対策で所得税減税が続いた。1974年は実質GDP成長率が戦後初のマイナス1.2%となり、ここで高度経済成長が終わったと言われる。

その翌年の昭和50年(1975年)、歳入不足を補う目的で本格的な赤字国債(特例国債)約2兆円が発行された。それ以来、現在に至るまでほぼ毎年(*)、赤字国債の発行が続いている。
*バブル崩壊後の平成3〜5年(1991〜1993年)を除く

つまり、昭和50年(1975年)以降、直接税主体で歳入不足が常態化したため、新たな財源として「広く薄く」が特徴で安定財源とされる大型間接税が着目されて、その導入が検討されるようになったわけだ。
 昭和54年(1979年) 大平内閣  一般消費税(閣議決定するも挫折)
 昭和62年(1987年) 中曽根内閣 売上税(法案提出するも廃案)
 昭和63年(1988年) 竹下内閣  消費税(可決。翌年4月より税率3%でスタート)
 平成07年(1995年) 村山内閣、武村蔵相 財政危機宣言
 平成09年(1997年) 橋本内閣、 赤字国債削減目標を閣議決定、消費税率5%

こうしてみると、消費税は「赤字国債の発行が問題だ」という考えから導入および税率アップされているということが分かる。そして、橋本内閣は赤字国債のみに発行制限をかけたのだが、平成14年(2002年)に小泉内閣は「プライマリーバランス黒字化」目標を掲げ、建設国債も含めた国債発行ゼロを目指した。「国債、ダメ。絶対。」というわけだ。国債は借金、子孫にツケを残すもの、この考えの行きつく先が「財政破綻論」だ。
では、国債を発行しても財政破綻しないのだとしたら? 消費税はその根拠を失うことになる!

最初に俺が『日本は財政破綻しない』という主張を知ったのは、三橋貴明氏のブログだった。2010年の氏の参議院出馬の少し前には知っていたはずだから、まあ、12年以上前である。氏のブログで財務省が平成14年(2002)年に日本国債の格付けを下げた外国の格付け会社に対して「日本の国債はデフォルト(財政破綻)せぇへんぞ。どんな事態を想定しとんねん!」と言っていたのには驚いたなぁ。それ、国内に向けて言えよ。「クニノシャッキンガー」と悪質なミスリードを何年続けるんや。『自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられない』これに尽きるやないか。

という事実を三橋氏という一個人がブログで叫び続けて少しずつ賛同者が増えても、大きな組織は大きな権威でないと、容易には動かない、動かせない。そして2019年にアメリカからやってた大きな理論的支援が、MMT(現代貨幣理論)だ。
俺としてはMMTのポイントは、下記の3つだと思う。
・自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられない(まあ、これは財務省も対外的には言ってるし)。
・税収は(政府の)財源ではない。
・政府は財政赤字であることが必要(政府の赤字はみんなの黒字)。

この3つのポイントで、財政破綻を信じて不安になっている娘さんを「財政破綻はしないんだ」と安心させてあげよう。
まず、財政破綻信者が恐れる財政破綻、これは「赤字(借金)が膨らみ続けると、やがて(返済できなくて)破綻する」という、一般的な家庭や企業の理屈をそのまま、政府に抱いていることから生じている誤解だから、政府は家庭や企業とは違うんだよ、と説明したい。
「政府には通貨発行権があるんだよ。どんなに赤字になっても『返済できない』ということは無いんだよ」
「そんな都合の良い話が、、、」
「実はあるんだよ。通貨発行権を持っている政府だけは、どんなに大きな赤字でも絶対に返済できる(ホントは返さなくても良いんだけどね)。だって、必要なだけ通貨を発行できるんだから」
「でも、不景気や少子化で税収が増えるわけないでしょう、それなのに、政府が使うお金は社会保障なんかでどんどん増えて出ていくばっかりなんだから、、、」
「大丈夫、税収は政府の財源じゃないんだ」
「え? そんなバナナ!?」
「(だいぶ混乱しているな)だって、政府は税収が入るよりも前に、予算分の通貨を発行して、先に使っているんだ」
「えぇっ? それじゃ税金なんて要らないんじゃ」
「税金は景気の調整弁という役割があるから、必要は必要なんだ。ただ、財源じゃあない。先に予算で100兆円の通貨を発行して使って、その年の税収が半分以下の40兆円でも問題ないんだよ」
「でもそれじゃ60兆円の赤字じゃない!」
「確かに政府は赤字だけど、その赤字の60兆円はどこに行ったんだろうね?」
「それは政府から予算をもらった会社や家庭に。。。あれ? 私たちの手元に60兆円残ってるってこと?」
「そう! つまり、政府の赤字はみんなの黒字なんだよ」
「なぁんだ、じゃあ、政府の赤字を怖がることなんてないじゃない。。。って、ちょっと待って、そうすると、政府が黒字になるって、もしかして私たちが赤字で、つまり貧乏になるっていうこと!?」
「実はね、そうなんだよ。だから、政府や財務省が言っている『プライマリーバランス黒字化』っていうのは間違った目標なんだ」
「どうしよう、わたし、ずっと選挙でそれ言ってる政治家や政党に投票してた。。。」
「次の選挙では、投票しない方が良いと思うよ。。。しばらく、無いけどね。だから」
「だから?」
「伝えて欲しい。君が知ったこと、次の誰かに」
。。。。
。。。
。。
.
この小話が現実になってほしいニャア。

【予告編】税率上げれば即座に税収ジャンプアップの消費税!10%でもまだ足りないぞ、経世済民?何それ美味しいの?by悪魔の財務省

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2022年12月03日

恐怖の消費税シリーズ!#06「まぼろしの経済成長」


【予告編】「賃金上昇抑制の仕掛け」は消費税納税額の節約術にあり。社員を切って人件費を減らして仕入れになる派遣を雇おう!救世主はなぜか解禁業種が増えた派遣法。25年間で消えた経済成長は500兆!
消費税と称する付加価値税について調べていくと、驚愕の事実が次々と明らかになって、すっかり後回しになってしまったが、シリーズ最初の頃に文言だけ出していた「賃金上昇抑制」の仕掛けを取り上げようと思う(やっとかよ)。

消費税と称する・・・面倒なので、以後、消費税と表記する。その納税額の計算式が(売上に含まれる消費税額―仕入れに含まれる消費税額)であることは既に述べたが、前回紹介したどんぶり勘定事務所の動画の紹介ボードの例を価格構成で見ていこう。

図1【事業者の価格構成】消費税納税額:1,000円300円 700円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(3,300円)
税込み粗利(7,700円)
仕入れ
本体価格
(3,000円)
仕入れ
消費税
(300円)
税込経理の利益(2,700円)
人件費
(5,000円)
納税額
(700円)
税抜経理
の利益
(2,000円)
売上消費税
(1,000円)
粗利
(7,000円)
消費税納税額:税込み粗利7,700円*(10/110)= 700円 

同じ売上で事業者が納税額を節約する方法は、計算式から明らかだ。
 納税額=売上に含まれる消費税額―仕入れに含まれる消費税額
後者の「仕入れ額に含まれる消費税額」を増やせば良い。だがどうやって?

図2【仕入れ先が値上げした価格構成】消費税納税額:1,000円400円 600円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(4,400円)
税込み粗利(6,600円)
仕入れ
本体価格
(4,000円)
仕入れ
消費税
(400円)
税込経理
利益(1,600円)
人件費
(5,000円)
納税額
(600円)
税抜経理
の利益
(1,000円)
売上消費税
(1,000円)
粗利
(6,000円)
消費税納税額:税込み粗利6,600円*(10/110)= 600円 

仕入れ先が値上げをすれば、仕入れ額は増える。その反面、粗利は減るので人件費を保つとしたら利益を減らすしかない。利益を維持して社員に払う人件費を減らしたら社員の不満は高まるし、会社を辞められてしまうかもしれない。あぁ・・・・・・どうすれバインダーと社長が頭を悩ませていると、そこにやってきたのが、人材派遣会社PSNの営業、竹中氏。

図3【社員を切って派遣を雇った価格構成】消費税納税額:1,000円400円 600円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(4,400円)
税込み粗利(6,600円)
材料仕入れ
(3,000円)
人材派遣費
(1,000円)
仕入れ
消費税
(400円)
税込経理の
利益(2,600円)
人件費
(4,000円)
納税額
(600円)
税抜経理
の利益
(2,000円)
売上消費税
(1,000円)
粗利
(6,000円)
消費税納税額:税込み粗利6,600円*(10/110)= 600円 

竹中「社長、お悩みですな。ええ方法がありまっせ、社員を減らして、ウチから派遣を雇いなはれ。派遣は仕入れになりますさかい、仕入れ額を増やせます。しかも人件費を削れるので、税抜経理の利益は変わりまへん。こんなええ話、他におまへんで〜」
社長「おぉ! 君はワシら事業者の救世主やな。はな、さっそく契約、と」

ちょうど通りかかった若手ダメ社員の鈴木君に、社長はこれ幸いと声を掛けました。

社長「鈴木くん、君は我が社で終わるような男やない『労働の自由化』『多様な働き方』乗るしかない、このビッグウェーブに!キャリアアップして、ビッグになるんや!」
鈴木「社長、わかりました。(給料安いし)辞めさせていただきます」

そして。。。

社長「ふむ、社員減らしても派遣で何とか回るもんやな。ほな、もっと派遣増やそうか」

図4【図3を加速した価格構成】消費税納税額:1,000円600円 400円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(6,600円)
税込み粗利(4,400円)
材料仕入れ
(3,000円)
人材派遣費
(3,000円)
仕入れ
消費税
(600円)
税込経理の
利益(2,400円)
人件費
(2,000円)
納税額
400円
税抜経理
の利益
(2,000円)
売上消費税
(1,000円)
粗利
(4,000円)
消費税納税額:税込み粗利4,400円*(10/110)= 400円 

社長「竹中はんの言うとおり、派遣を雇ってよかったなぁ。社会保険も労働保険も賞与も払わんでええし、昇給もせんでええ。仕入れと粗利が逆転してしもうたけど、税抜経理の利益は変わらへんし、ほんま、PSN様様やで」

こうして順調に納税額を節約できて、めでたしめでたし・・・とは、なりませんでした。やがて、商品が11,000円では売れず、9,900円にしないと売れなくなってきたのです。

図5【図4で販売価格が下落した価格構成】消費税納税額:900円600円 300円 
販売価格=税込み売上(9,900円)
税込み仕入れ(6,600円)
税込み粗利(3,300円)
材料仕入れ
(3,000円)
人材派遣費
(3,000円)
仕入れ
消費税
(600円)
税込経理
利益(1,300円)
人件費
(2,000円)
 
税抜経理
の利益
(1,000円)
売上消費税
(900円)
粗利
(3,000円)
消費税納税額:税込み粗利3,300円*(10/110)= 300円 

社長「何で売れへんのや・・・前はこれくらいの値段はみんな買うてくれたのに。売上減ったから納税額は節約できたけど、利益ガタ減りや。ちょっと従業員に聞いてみるか。ウチの会社もほとんど派遣さんばっかりになってもうたな。ま、そうしたのはワシなんやけど。あ、田中さん、ちょっとえぇ?」
田中「はい、何でしょう」
社長「ウチの商品が11,000円で売れへんのやけど、どれくらいやったら、買える?」
田中「11,000円ですか・・・1万円切ったら買えると思いますけど、1万円超えは・・・」
社長「え、そうなん!? 分かったわ、ありがとうな。。。まあ、そうか、派遣さんやと正社員より給料安いわけやし、昔の感覚で値段付けしとったら、売れへんわけか・・・」

終業後の帰り道、社長は懐かしい顔に出会いました。

社長「あっ!鈴木君やないか、久しぶりやなぁ。今、何しとるん?」
鈴木「お久しぶりです、社長・・・今はパソナに登録して派遣社員やってます」
社長「そうか、君も派遣社員か・・・ちょっと聞きたいんやけど、ウチの商品が11,000円で売れへんのやけど、どれくらいやったら、買える」
鈴木「11,000円ですか・・・1万円切ったら買えると思いますけど、1万円超えは・・・」
社長「(やはり田中さんと同じか・・・)」
鈴木「正社員の時だったら、買えていたんですが・・・社長、もういっぺん正社員で雇ってもらうことは出来ませんか?」
社長「どないしたんや?」
鈴木「派遣だと昇給も賞与も無くて、しかもいつ仕事が無くなるか分からなくて、将来に不安しかないんです! 正社員の時は安月給でこき使いやがって、と不満だったんですけど、でもわずかでも昇給はあったし、業績がよければ賞与も出るから、仕事が出来ないダメ社員の僕でも頑張れた、だから戻りたいんです!」
社長「・・・すまん、鈴木君。ウチもほとんど派遣さんばかりになってもうてな、正社員を雇うゆとりが無くなってるんや。それに値段を下げんと商品が売れへんようになってきてるから、余計に、な・・・」

それでも社長は「久しぶりやから」と鈴木君を飲みに連れていきました。「今日はおごるから」と。

鈴木「そういえば、僕の知り合いや友達も派遣社員ばかりで、正社員なんていなくなってしまいました。収入が不安定なんで、車や家なんて高い買い物はおろか、結婚だって出来ませんから、少子高齢化一直線ですよ」
社長「みんなでそろって貧乏に突き進んどるわけか・・・」
鈴木「正社員の時は、年配の社員を『ロクに仕事もしないのに高い給料を貰いやがって』と憤ってましたけど、でも年功序列で給料が上がっていくからこそ、若い時に車や家を長いローンを組んで買えていたんですよね」
社長「そうやった、ワシが若い時はみんな給料が上がっていくのが当たり前やった・・・いつからや、日本がこんな夢も希望も持てない国になったんは・・・」
鈴木「・・・消費税・・・」
社長「ん、なんや急に?」
鈴木「そう、消費税ですよ!社長が派遣社員を採用した切っ掛けって、確か消費税の納税額を節約しようとしたからですよね!」
社長「!、確かにそうやった、そん時にPSNの竹中はんに勧められて契約したんや!」
鈴木「社長、これ見てください!」
国内総生産(名目GDP).png
社長「何や、これ?」
鈴木「あるブログで見かけたグラフなんですけど、消費税が5%に上がった1997年から、日本の経済成長が止まっているんですよ」
社長「ホンマや・・・見事に横ばいになっとる。ちょっと待ちぃな、これ、それ以前の経済成長が続いとったら、今どれくらいになっとるんや?」
鈴木「ええと、1972年が約100兆円、そこから25年後の1997年が約530兆円だから、25年で430兆円成長していますね。このペースなら、1977年の25年後の2022年は、530+430で960、約1,000兆円・・・」
社長「なのに現実は、半分の500兆円・・・なんや、コレ!? 消費税3%時代は成長しとったのに、5%に上がっただけで、こんな影響があるもんなんか?」
鈴木「そういえば・・・」
社長「思い当たることでもあるんか?」
鈴木「ええ、僕ら派遣を生んだ派遣法が出来たのが1986年で、その年は派遣できる業種が13か16だったんですけど、1996年に26業種、1999年には原則自由化されたんですよ」
社長「そういえば・・・でも確か製造業はもっと遅かったよな?」
鈴木「2004年ですね。この時は1年の期限付きでしたけど、2007年に3年間に延長されてますね」
社長「その後も、派遣労働者の待遇改善のために派遣法はたびたび改正されてきたよな。それだけ派遣が増えたということか」
鈴木「そうして派遣社員ばかりになったから、高給取りの正社員がいなくなったから、車も家も買えず結婚も出来なくて、経済成長が止まったんじゃないでしょうか?」
社長「ううむ・・・確かに昔は派遣労働者はほとんどいなくて正社員だけで、それがいわゆる『分厚い中間層』と呼ばれていたよな」
鈴木「いま『中間層』なんていませんよ。僕たち『貧困層』とごく一部の『富裕層』だけです」
社長「そしてわずかに残った正社員もな。。。『同一労働、同一賃金』で、給与引き下げの圧力が掛かっている。派遣の給与を正社員並みに引き上げられる体力のある事業者や企業なんてないからなぁ。というか、鈴木君には悪いが「同じ仕事を安く」が派遣の魅力だろうに」
鈴木「派遣としては腹立たしいですが、雇う側としてはそうですよね」
社長「それにしても消費税だ! 消費税が無かった頃は、利益に掛かる法人税を節約するために、利益を削って、その分、社員への賞与など人件費に回すことが出来ていたんだ。ウチはやらなかったが、家族経営の小規模事業者なら社員である家族の賞与を増やして、利益を赤字にして法人税を免除にする、なんて話もあった」
鈴木「なるほど、それなら正社員が『分厚い中間層』に育ちますよね」
社長「しかし、消費税はな・・・粗利に掛かるんだ。分かるか? 売上>仕入れである以上、必ず課税されるんだ。法人税が免除される利益ゼロや赤字状態でも容赦なく、だ!」
鈴木「社長、だいぶ酔いが回ってきましたね。送っていきますよ」
社長「消費税さえ、消費税さえ無ければ・・・今も鈴木君を雇って、将来に希望を持てる日本の『分厚い中間層』に育っていただたろうに・・・500兆円をまぼろしにしおって、消し去った500兆円を還せぇ、クソ消費税めぇ〜」
。。。。
。。。
。。
.
この小話はフィクションです。実在の人物や団体などとは無関係であって欲しいなぁ。

【予告編】消費税の導入理由は赤字国債、でも政府の赤字はみんなの黒字(byMMT)で無問題!「財政破綻論、死んじゃった」「その方がええんじゃよ」

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2022年12月02日

恐怖の消費税シリーズ!#05「地獄から来た消費税!」


【予告編】生まれはフランス、育ちは日本。消費税と称する付加価値税にゃ輸出免税で還付金がございます。税収21兆の還付5兆で24%の還付率!財政再建、社会福祉なんざ真っ赤な嘘、地獄から来た消費税でございやす。

さて、消費税が実は直接税であり、付加価値税であったということは分かったが、なぜ消費税と称して付加価値税を導入したのだろうか。

そのヒントになりそうな付加価値税の誕生についての説明が、どんぶり勘定事務所の動画「消費税の仕組み〜増税・輸出戻し税・益税問題・インボイス制度など〜図解でわかりやすく解説!中小企業向け!」にあった。動画の22分30秒頃からがその部分で、その概要を記そう。

動画内の当該箇所の説明用ボードには「輸出戻し税(輸出免税)」とあるが、輸出免税については国税庁にタックスアンサーのページがある。
事業者の輸出取引、つまり、外国で消費されるものには消費税は課税しないというものである。消費税法の対象は国内取引、日本国内のお客様のみが対象ですよ、ということだ。これはまあ、「そらそうやな」と納得できる。外国のお客様から消費税もらうわけにはいかへんやろ、と。外国には外国の法律があるんやから、外国に日本の法律を適用するわけにはいかへんわな。ここまでは分かる。

では輸出取引の価格構成を、動画内の説明用ボードの金額でみてみよう。

図1【輸出取引の価格構成】消費税納税額:0円300円 ―300円 
販売価格=売上(11,000円)、消費税は免除で税率0
税込み仕入れ(3,300円)
粗利(7,700円)
仕入れ
本体価格
(3,000円)
仕入れ
消費税
(300円)
利 益
(2,700円)
人件費
(5,000円)
納税額
(―300円)
粗 利
(7,700円)

この場合、消費税納税額の計算式は((売上*(0/110))―(税込み仕入れ*(10/110))で、前者と後者の税率が異なるので、式の変形はできない。ただ、前者は必ずゼロになるので、必然的に納税額は常にマイナスになる。もちろん、仕入れ先は国内事業者(まあ、下請けでしょうね)で国内取引という前提だ。

それで、ここからが重要なのだが、このマイナスになった納税額(=税込み仕入れに含まれる消費税)は国から還付を受けられるのである。。。再び「な、なんだって―!?」てなりそうだ。そりゃ確かに計算式で納税額はマイナスにはなるけど、え? それで仕入れ時の消費税を還付してもらえるの?・・・・・・まったくもってその通りで、JETRO(日本貿易振興機構)に「輸出商品の仕入れにかかった消費税の還付」の記述ページがある。
しかもこの還付金、なんと利息まで付くのである! 還付加算金と呼ばれるもので、財務省に利率についての資料がある。
市中金利の動向で調整はされるようだが、現在は0.9%で市中金利より高いようだ。

こうしてみると輸出取引を行う輸出企業には至れり尽くせりなのだが、何でこんなことになっているのだろうか。

どんぶり勘定事務所の神田税理士の説明によると、昔、GATT(関税および自由貿易に関する一般協定)が輸出企業に対する補助金を(原則的に)禁止した(1950年代から)。当時、フランスは輸出企業(*)が弱かったので補助したかったのだが、補助金はGATTで禁止されている、何とかならないかと(フランス大蔵省の官僚モーリス・ローレが1953年に)考案したのが付加価値税、つまりVATで、これをフランスは1954年に導入した。補助金じゃないんだよ、税金の還付だよ、とそういう理屈である。そして、輸出企業への還付を行うために、仕入れ先業者に税額と税率を記載したインボイスを発行させたのだそうだ。
*三橋貴明氏の動画によると自動車企業のルノーだそうだ(動画の6:00あたり)。

VAT自体はその後、EUはもとよりアメリカを除くOECD諸国に導入された、代表的な間接税とされているので、日本が間接税の導入にあたってお手本としたのは理解できるが、出自が輸出企業への補助金目的であったことも事実である。元静岡大学教授・税理士の湖東京至氏によると、輸出大企業がある地域の税務署は、還付金のために消費税の税収が赤字になっているそうだ。

ここで輸出取引の還付前と還付後、そして同じ商品が国内取引であった場合とを比較してみよう。
図1【輸出取引の価格構成】消費税納税額:0円300円 ―300円 
販売価格=売上(11,000円)、消費税は免除で税率0
税込み仕入れ(3,300円)
粗利(7,700円)
仕入れ
本体価格
(3,000円)
仕入れ
消費税
(300円)
利 益
(2,700円)
人件費
(5,000円)
納税額
(―300円)
粗 利
(7,700円)

図2【輸出取引の価格構成(還付後)】消費税納税額:0円0円 0円 
販売価格=売上(11,000円)、消費税は免除で税率0
仕入れ
価格
(3,000円)
還付額*
(300円)
還付前粗利(7,700円) 
還付前利益
(2,700円)
人件費
(5,000円)
還付後利益(3,000円) 
還付後粗利(8,000円) 
*還付は翌年度。実際には利息の還付加算金が上乗せされるが、この図には含めていない。

図3【国内取引の価格構成】消費税納税額:1,000円300円 700円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(3,300円)
税込み粗利(7,700円)
仕入れ
本体価格
(3,000円)
仕入れ
消費税
(300円)
税込経理
利益(2,700円)
人件費
(5,000円)
納税額
(700円)
税抜経理
の利益
(2,000円)
売上消費税
(1,000円)
粗利
(7,000円)

輸出取引の図1と図2を比較すると、当然、お得なのは還付額分だけなのだが(実際には利息の還付加算金が上乗せされる)、還付後の図2と国内取引の図3を比較すると、還付後の粗利も利益も売上消費税分がマルっとお得であることが分かる。
つまり、同じ価格で販売するのなら国内より海外へ、となるわけで付加価値税は輸出奨励(言い換えれば国内販売への罰金)の税制と言える。

さて、それでは、実際、どれくらいの消費税が還付されているのだろうか。国税庁に消費税が10%にアップされた2020年度までの長期時系列データがあり、それに還付金額もあったので、グラフを作成してみた。
グラフ_消費税収_還付額_還付率.png
グラフを見れば分かるが、消費税が8%に上がって還付額がほぼ倍に跳ね上がった2014年度以降、還付率は約24%前後で推移している(2020年度は消費税が約21兆円、還付金が約5兆円で、還付率は約24%)。ということは消費税って、約4分の1が輸出企業に還付されていることになる。これじゃあ、まさに輸出企業への補助目的じゃないか。どこが財政再建や社会福祉目的の税金なんだよ、嘘っぱちだらけじゃないか。

やはり、消費税は嘘と欲と策謀と欺瞞に満ちた、地獄から来たのに違いない。

【予告編】「賃金上昇抑制の仕掛け」は消費税納税額の節約術にあり。社員を切って人件費を減らして仕入れになる派遣を雇おう!救世主はなぜか解禁業種が増えた派遣法。25年間で消えた経済成長は500兆!

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2022年12月01日

恐怖の消費税シリーズ!#04「挑戦!消費税の恐怖」


【予告編】消費税の納税額の計算式が暴いた、財務省「複数の事業者間を経た取引」図の嘘! 仕入れ無しで製造ができる虚偽世界から始まる消費税の恐怖!

前回までの消費税の説明の中で、消費税の納税額の計算式は(売上に含まれる消費税額−仕入れに含まれる消費税額)、そして、『複数の事業者間を経た取引でその累積を避けるために、仕入れ税額控除が認められている』と書いたが、「ん? 何のこっちゃ?」と思われた方もいると思う。
消費税を預り金としてイメージしていると、納税額は「売上に含まれる消費税額」だけでよく、「仕入れに含まれる消費税額」を差し引く理由が分からない。つまり、1,100円で販売したらそれに含まれる消費税はもちろん100円で、仕入れ額が330円ならそれに含まれる消費税は30円、その場合の納税額は預り金イメージの100円ではなく、100円−30円=70円になる。。。驚きと混乱のあまり「な、なんだって―!?」てなりそうだ。

我々が「消費税」という名称からイメージさせられるのは、「消費者」が「お店」で商品を買う時に払う税金、というものだが、消費税の実態に迫るには『複数の事業者間を経た取引』についての理解が必要のようだ。

幸い、『複数の事業者間を経た取引』の例になる図を財務省が親切に用意してくれているので、ありがたく引用させてもらおう。
この図では最初の製造業者が「仕入れ」なしで製造していて「魔法使いかよ!」とツッコミたくなるが、そこはまあ置いておいて、図中では各事業者の納税額は下記のようになっていて、合計は1,000円である。
 製造業者: 500円 
 卸売業者: 200円 
 小売業者: 300円 
この1,000円は最終的に消費者が負担(納税ではないよ)しているという説明の図だ。
俺にはこの図は各事業者の売上と仕入れの関係がパッと分かりづらかったので、価格構成を作成してみた。

図1【製造業者の価格構成】消費税納税額: 500円 
販売価格=税込み売上(5,500円)
人件費
利益
消費税
(500円)

図2【卸売業者の価格構成】消費税納税額:700円500円 200円 
販売価格=税込み売上(7,700円)
税込み仕入れ(5,500円)
人件費
利益
消費税
(700円)
本体価格
(5,000円)
消費税
(500円)

図3【小売業者の価格構成】消費税納税額:1,000円700円 300円 
販売価格=税込み売上(11,000円)
税込み仕入れ(7,700円)
人件費
利益
消費税
(1,000円)
本体価格
(7,000円)
消費税
(700円)

これを仮に消費税が預り金だとして、図中で隣接している二者が常に左は「お店」、右は「消費者」と考えて、各事業者が消費者から預かった預り金を納税するというケースで各事業者の納税額を見ると下記のようになって、その合計は2,200円になる。
 製造業者: 500円 
 卸売業者: 700円 
 小売業者: 1,000円 
このことからも、消費税と呼ばれているものの正体が預り金でないことは明らかだと思う。というか、預り金にする方がトータルの納税額は増えるので、悪魔の財務省なら、こちらの方を尻尾振って喜び勇んで採用しそうなものだ。それがそうなっていないのは、消費税がお手本にしたフランスの付加価値税がそうなっているから、としか思えない。

付加価値とはWikipediaによると「生産によって新たに加えられた価値」「総生産額から原材料費・燃料費・減価償却費などを差し引いた額」とある。付加価値税とは、付加価値に掛けられる税金でValue Added Tax、略してVATと呼ばれる。価格構成では(売上−仕入れ)=(人件費+利益)=付加価値で、これは粗利とも呼ばれる(たぶん、英語を略した付加価値よりも粗利の方が通りが良いんじゃないかな)。

ということで、先の図に粗利=付加価値を入れてみよう。なお、図3は図2と金額が異なるだけだし、表の幅がオーバーするので割愛した。

図4【製造業者の価格構成】消費税納税額:500円0円 500円 
販売価格=税込み売上(5,500円)
税込み粗利(5,500円)
税込経理の利益
人件費
納税額
(500円)
税抜経理
の利益
売上消費税
(500円)
粗利
(5,000円)
消費税納税額:税込み粗利5,500円*(10/110)= 500円 。。。は? ちょっと待て、売上が100%粗利って、そんな無から有を産み出す製造業者があってたまるか!

図5【製造業者の価格構成(免税業者仕入れ)】消費税納税額:500円0円 500円 
販売価格=税込み売上(5,500円)
免税業者
仕入れ
(N円)
税込み粗利(5,500―N円)
税込経理の利益
人件費
納税額
(500円)
税抜経理
の利益
売上消費税
(500円)
粗利
(5,000―N円)
消費税納税額:税込み粗利から算出不可(免税業者仕入れで税率=0%のため)。。。理屈は通るが、実態と異なっており、極めて不自然だ!(後述)

図6【卸売業者の価格構成】消費税納税額:700円500円 200円 
販売価格=税込み売上(7,700円)
税込み仕入れ(5,500円)
税込み粗利(2,200円)
仕入れ
本体価格
(5,000円)
仕入れ
消費税
(500円)
税込経理の利益
人件費
納税額
(200円)
税抜経理
利益
売上消費税
(700円)
粗利
(2,000円)
消費税納税額:税込み粗利2,200円*(10/110)= 200円 

消費税納税額を何とか表現しようとして、ちょいと表が複雑になってしまったが、こうしてみると、確かに消費税と称されている税金は、粗利=付加価値に掛けられている、実は付加価値税だということがよく分かる。
ちなみに(売上に含まれる消費税額−仕入れに含まれる消費税額)という計算は、単一税率10%の場合、(税込み売上*(10/110))−(税込み仕入れ*(10/110))で求められる。そして、この式を変形すると(税込み売上−税込み仕入れ)*(10/110)=税込み粗利*(10/110)=税込み付加価値*(10/110)となるから、理の当然ではある。

それと、ここで注目したいのが図4・図5の製造業者だ。納税額の計算式上、消費税0円の事業者から仕入れたということになるが、その仕入れ先は図5のように免税業者であるはずだ。免税業者は消費税の納税を免除、つまり資産の譲渡に消費税を課されないため、販売価格に消費税を含められないからだ。しかし、この場合、製造業者は自らの売上に含まれる消費税を全額納税しなければならない。つまり、図6の卸売業者のように課税事業者から仕入れた場合より支出が増えてしまう。そうするとどうなるかというと、製造業者も課税事業者から仕入れがしたくなるはずで、免税業者は取引から外されるか、課税事業者への転換を迫られることになる。これはフランスが付加価値税で採用しているインボイス方式の欠点で、付加価値税の計算式をそのまま採用したがために、来年10月1日から日本でも導入されるインボイス制度で多数の免税業者が廃業に追い込まれると言われている。

しかし、現状では、仕入れ税額の算出においては仕入れ先が課税事業者であることは要件とされておらず(*)、免税業者が仕入れ額に消費税を含めていないのに、強制的に税込みとして計算するため、図5の実態は図7のようになり、納税額は絶対に500円未満、そして、みなし仕入れ消費税額が製造業者側の益税となっている。
図7【実際の製造業者の価格構成(免税業者仕入れ)】
消費税納税額:500円N*(10/110)円 500―(N*(10/110))円 
販売価格=税込み売上(5,500円)
仕入れ(N円)
税込み粗利(5,500-N円)
免税業者
みなし
本体価格
N*(100/110)円
みなし
仕入れ
消費税
N*(10/110)円
税込経理の利益
人件費
 
税抜経理
利益
売上消費税
(500円)
粗利
(5,000-(N*(100/110))円)
消費税納税額:税込み粗利5,500―N円*(10/110)= 500―(N*(10/110))円 

なお、来年10月1日からインボイス制度が導入されると、仕入れ税額控除の対象はインボイス発行事業者(課税事業者)のみとなり、免税業者は排除される。

インボイス制度の話は後日、また触れるが、つまり、財務省が用意した『複数の事業者間を経た取引』の図は、売上が100%粗利、つまり、仕入れ業者が消失した世界で無から有を産み出す虚偽世界の製造業者という現実には絶対にあり得ないような条件か、現状では売上税額から控除可能で益税となる「免税業者からのみなし仕入れ税額」を、何故かわざわざ自ら全額負担するという、極めて不自然な条件をスタートにしなければ成立し得ない恐怖の絵空事なのだ。悪魔の財務省にダマされてはいけない。

【予告編】生まれはフランス、育ちは日本。消費税と称する付加価値税にゃ輸出免税で還付金がございます。税収21兆の還付5兆で24%の還付率!財政再建、社会福祉なんざ真っ赤な嘘、地獄から来た消費税でございやす。

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posted by 三森羊一 at 08:00| Comment(0) | 消費税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月29日

恐怖の消費税シリーズ!#03「日本経済が危い!暗殺者は消費税」


【予告編】消費税は暗殺者!単一税率用の帳簿方式で「広く薄く」を「広く厚く」にして日本経済を殺します!

そもそも、消費税はなぜ導入されたのだろうか。日本の税の歴史については、財務省のQ&Aでその概要を知る事が出来る。

消費税が導入されたのは1989年(平成元年)だが、その前から自民党では大型間接税の導入が検討されてきた。当時の間接税は物品税で、個別の商品に対して贅沢品か必需品かを特定して、贅沢品にだけ課税していた。しかし、その特定を客観的に行うことが次第に困難になり、消費税の導入に伴って物品税は廃止となった。

大型間接税の導入目的については、税の公平化(直間比率の是正)もあったが、高齢化社会への対応(つまり財源確保)も挙げられていた。現在はMMT(現代貨幣理論)の登場もあって『税収は財源ではない』が少しずつ広まりつつあるが、何せ30年以上前の話である。
消費税導入までの紆余曲折をざっと端折ると、下記のようになる。

1979年(昭和54年) 大平内閣
 一般消費税を閣議決定するも挫折。大平氏は蔵相時代に初めて赤字国債を出し、
1987年(昭和62年) 中曽根内閣
 売上税を法案提出するも廃案(前年の衆参同日選挙での大型間接税の導入は
 しないという公約を翻したため)。
1988年(昭和63年) 竹下内閣
 消費税法案を可決、翌年4月より税率3%消費税スタート。

自民党にとっては10年来の悲願だったわけで、どこで聞いたのかは忘れたが、30年以上経った今でも「導入するのにどれだけ苦労したと思っているんだ」という消費税LOVEの先生がいるらしいのも無理はない。

で、これだけの紆余曲折を経ているので、竹下内閣では「消費税の導入」が先決となり、反対勢力の懐柔と利益誘導が積み重なって、消費税は歪な税制になっていると、税理士第一号で大平内閣時代から大型間接税や消費税に反対の立場の中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は言う。
中央大学の商学部と経済学部の研究成果発表誌「商学論纂」は、中央大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)で2013年の第55巻からPDF参照できるが、2018年の第59巻 5・6号に掲載されている、富岡氏の竹下政権の消費税と闘う税務会計学研究 : 税制公正化への闘いの歩み・1980年代後期・後編から『新税の構想と類似税との比較─これまでの大型間接税と今回の構想の差異─』という表を引用しよう。
事項
消費税
(竹下内閣)
売上税
(中曽根内閣)
一般消費税
(大平内閣)
フランスの
付加価値税
導入の目的税の公平化減税の財源財政再建 
増減税の収支減税先行増減税同額増税志向 
タイプ帳簿方式伝票方式帳簿方式伝票方式
標準税率3%5%5%18.6%
非課税土地・有価証券・金融・保険
(政策的
 非課税)
授業料・試験料・社会保険医療費・特別養護老人ホームなど
飲食料品・住宅・医療・社会福祉・教育・輸送・家賃など51項目
食品・医療・教育・社会福祉など
医療・教育・郵便・家賃・公的養護・障害者施設・スポーツなど
軽減税率なし食品・新聞・輸送など
割増税率乗用車に特例なし宝石・カメラ・乗用車など
免税年間売上高
3,000万円以下
は非課税
年間売上高
1億円以下は選択制
年間売上高
2,000万円以下
は非課税
税額1,350フラン(約2万7,823円)以下は不徴収
税額計算の
特例
年間売上高
5億円以下は簡易課税
年間売上高
1億円以下は80%(卸売業は90%)を仕入税額として控除
年間売上高
4,000万円以下は簡易課税
年間売上高
300フラン(約6,183万円)以下は簡易実額課税制

ここで注目したいのは、消費税タイプの「帳簿方式」と「伝票方式」だ。実は後者の「伝票方式」とはインボイスの事なのである。消費税は複数の事業者間を経た取引でその累積を避けるために、仕入れ税額控除が認められているが、伝票方式は売り手側が発行するインボイスに消費税額と消費税率を記載するので、複数税率(軽減税率)であっても買い手側は正確な仕入れ税額の算出が可能だ。
付加価値税の発祥の地フランスではインボイス方式を採用しており、複数の軽減税率(フランスでは10%、5.5%、2.1%)が運用されている。その代わり、インボイスの発行・管理、納税事務の煩雑さなど事務的負担は大きいとされ、中曽根内閣での売上税の法案提出時には、有権者からは公約違反、事業者からはインボイス導入に批判の声があった。

そこで、消費税の導入を優先する竹下内閣が採用したのが帳簿方式だ。帳簿方式は事業者側の自己記録で、売り手側の請求書にインボイスのような消費税額や消費税率が記載されていなくても、単一税率であれば税込み請求額から仕入れ税額を算出でき、納税事務を簡素化できる(前提として正確な帳簿を作成する必要はある)。それで消費税は3%の単一税率のみで、軽減税率はなしとなった。

こうして帳簿方式の採用により単一税率となった消費税は、最初は「広く薄く」だったが、30年の時を経て度重なる消費税率のアップで、今や「広く厚く」になってしまった。何しろ3%で始まったのが、現在は10%なのだから3倍以上、それなのに国民の負担軽減のために、食料品などの生活必需品は税率をゼロ、書籍や医薬品などは5%くらい、他は対象によって10%や20%にするというような複数税率(軽減税率)は運用できない。

こんなことは最初から分かっていただろうに、と俺なんぞは思うが、帳簿方式を採用した消費税が日本経済を殺すための暗殺者(いや隠れてはいないが)であったのなら、まもなくその任務は完了、なのかもしれない。

【予告編】消費税の納税額の計算式が暴いた、財務省「複数の事業者間を経た取引」図の嘘! 仕入れ無しで製造ができる虚偽世界から始まる消費税の恐怖!

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posted by 三森羊一 at 08:00| Comment(0) | 消費税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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