ロイ・スペンサー博士はNASAのマーシャル宇宙飛行センターの気候研究の上級科学者です。卓越した科学的功績によりNASAとアメリカ気象学会に表彰されました」

(Weather Satellite Team Leader NASA)
『気候モデルの精度は使われる仮定と同程度しかありません。そして何百もの仮定があります。仮定が一つ間違うだけで予報は大きく外れます』
「気候予想は新しいことではありませんが過去の科学者達は予想能力についてもっと謙虚でした」

”コンピューターで気候モデルを作った人々は気候変化を予測する試みに対し懐疑的です。
『人々に影響を及ぼす決断をする場合、未来の気候についての悪い予測は全く予測がないよりも遥かに有害であることがあります。残念ながら、ウェザー・マシーンは複雑で十分理解されていないため、信頼に足る予測はできません』”
「全ての気候モデルは太陽や雲ではなく、人為的CO2が気候変動の主原因だと仮定しています」

『私がよくする譬え話なんですが、車の調子が悪いときにエンジンを無視して(太陽のことです)トランスミッションも無視して(水蒸気のことです)右後ろタイヤのナットを調べるようなものです(人類の排出するCO2のことです)。
それくらいひどい科学なんです』

『気候システムを理解するということは宇宙線・太陽・CO2・水蒸気・雲などの全ての要素を理解するということです。つまり、それら全てが揃わなければ、気候モデルには何の価値もありません』
「気候の予測の幅は大きく異なります。この差異は、各モデルが根拠としている仮定のわずかな違いから生じます」

(Dept of Oceanography Massachusetts Institute of Technology)
『気候モデルはとても複雑なので、時々面白くなるように調整することもあります』

『モデル制作者と共に働き、私もモデリングをやりますが、数理モデルと合わせて変数を調整すれば、どんなモデルでも作れます。数値を調整すれば、より暖かくすることも、冷たくすることもできます』
「あらゆる気候モデルは人為的CO2を温暖化の原因と仮定しているのでより印象的な予測を出す方法は明らかです。大気中へ放出される人為的CO2の仮定量を増やすことです」

(Dept of Environmental Sciences University of Virginia)
『私達は入力する二酸化炭素の増加量を年間1%としました。過去10年間の増加量は年間0.49%でした。その前の10年間は年間0.42%でした。
さらに前の10年間は年間0.43%でした。つまり、気候モデルでは実際の2倍の温室効果ガスによる温暖拡散が起きます。現実よりも温暖化させた予測で人々を動揺させるべきではありません』
「気候モデルでは50年とか100年後の気温を予測します。気候の長期予測に固有の特徴とは、予測が間違っていると証明されるのは人々がすっかり忘れた後だということです。
その結果、気候モデル制作者は面白さを追求し正確さに気を遣わなくなるという危険性があるとカール・ワンチ教授は指摘します」

(Dept of Oceanography Massachusetts Institute of Technology)
『科学コミュニティの中でさえ問題視されています。複雑なモデルを使って何かしたとします。
例えば、海に大量の氷を溶かして何も起らなかったら、それは出版されないでしょう。
しかし、同じモデルを使って何かドラマティックなことが海流の循環に起るように調整したとします。例えば、熱輸送を無くしたりします。それは出版されるでしょう。”これは面白い”と人々は言うでしょう。メディアにも取り上げられるでしょう。つまり、偏向があるんです。メディアにも科学コミュニティにもドラマティックな調査結果を非常に好む傾向があります。
地球が氷で覆われるというのはずっと面白いストーリーです。例えば、地球は常に変動していてマスフラックス(質量流束)は10%増加したり20%減少したりするが、いつかは元に戻るというような話よりもです。あなたなら、どちらの記事を書きますか? つまりはそういうことです』
「素人目には、コンピューターモデルは印象的で、乱暴な推測でも厳密な科学に見えたりします。そしてメディアに壮大なストーリーのネタを大量に供給します」

(Former Editor, New Scientist)
『ベテラン・ジャーナリストとして私が驚いたのはジャーナリズムの最も初歩的な原則が無視されていることです。
”人為的地球温暖化説によりジャーナリズムに新たな部門が生まれました”
全く新しい世代の記者、環境ジャーナリストが生まれたのです。もし地球温暖化説がゴミと化したら、環境ジャーナリストの仕事も同様でしょう。それくらい未熟なのです。そして報道は益々ヒステリックになっています。まだ頑迷なニュース編集者がいてこう言いふらしています。”5年前にあなたが言ってたことだが、ますます悪化してる。次の火曜日までに海抜が10フィート上がりそうだ”
彼らはどんどんヒステリックになる必要があるのです』
「暴風雨やハリケーンが来る度に地球温暖化のせいにすることが、メディアでは普通になっています。しかし、科学的根拠はあるのでしょうか?」

(Dept of Meteorology Massachusetts Institute of Technology)
『ただのプロパガンダです。気象学のどの教科書にも書いてありますが、気象撹乱の主原因は熱帯と極地の気温差です。世界が温暖化すると気温差は縮小すると言われています。
つまり、荒天は減るでしょう。変動性も減少するでしょう。しかし、なぜかこのことは破滅的だとは見なされていません。つまり、(報道とは)正反対なんです』
「穏やかな気温の上昇でも北極の氷冠が破滅的な勢いで溶け出すとよく報道されています。地球の気候の歴史を振り返って確かめてみましょう」

(Dept of Atomospheric Science University of Alabama in Huntsville)
『数千年間のグリーンランドの気温記録を入手しました。ちょうど千年前、グリーンランドは現在よりずっと温暖でした。しかし、ドラマティックに氷が溶けるような出来事はありませんでした』

『永久凍土について話してみましょう。例えばロシアの森の下には巨大な永久凍土の氷層があります。7〜8千年前は現在よりもずっと多く溶けていました。つまり、歴史的に繰り返されてきたことで、それで世界が終わったりしなかったでしょう?』
「シュンイチ・アカソフ(赤祖父俊一)はアラスカの国際北極研究所(IARC)の所長です。IARCは世界をリードする北極研究所です。アカソフ教授は、氷冠は時間経過と共に常に自然に拡大したり縮小していると主張しています」

(Director, International Arctic Research Centre)
『大きな氷の塊が南極大陸から崩落するのをよく報道しています。こういったことはずっと起きて来たはずですが、今は衛星があるので、見つけることができるのです。それでニュースになるわけです』
「1990年代、NASAの気象衛星により極地の海氷が自然に大きく拡大したり縮小したりするのが分かりました」
『よく地球温暖化を扱うテレビ番組で氷河の端から巨大な氷の塊が落ちるのを放送していますが、人々は氷が常に動いていることを忘れています』
「ニュースで北極の端から氷が崩落する映像を放送しますが、イギリスの秋の落ち葉のように北極ではこれが普通の出来事だとは報道しません」

”温暖化による災害について言いたいことはありますか?”と記者団によく聞かれますが、”ありません”と答えています』

正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために
- 作者: 赤祖父 俊一
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本