三橋貴明氏は3年前まで普通のサラリーマン(中小企業診断士)だったが、巨大掲示板2chにおいてデータに基づく確かな経済分析で名を馳せ、その後多数の著書を発表。そして、何の後ろ盾もないのに自民党の公認を得た実力派だ。
詳しくは、氏のブログや後援会ホームページを参照いただくとして、本日の講演会のテーマは『マスコミにだまされてはいけない! 日本経済の真の実力』と題して、日本経済の希望を語られた。
昨今、いや、昔から『日本経済は財政赤字で破綻する』というのが政府やマスコミの主張であるが、現在の不況はデフレギャップ、すなわち需要が供給を下回っていることが問題なのであって、これを脱するには需要を喚起する施策を打たなければならない。すなわち、マスコミや民主党が主張する緊縮財政ではなく(これは供給も需要も下げてしまう)、経済成長を図るということだ。
具体的には、文明フェイズの転換、つまり、産業革命後のイギリスの石炭文明、約100年前に起きたアメリカのモータリゼーション(自動車社会)の発達に伴う石油文明の次を目指す。それは『電力文明』だ。自動車をガソリン車から100%電気自動車にすることで、巨大な消費のパイが国内に生じる。大元の電力供給は原子力に拘らず、ベストミックスで行なう。
実は、日本周辺にはエネルギーとして実用化可能なメタンハイドレードが豊富に存在しているし、黒潮で運ばれてくるウランも現存の原子力発電を十分にまかなえる量がある。要は、政府が将来のエネルギーを輸入に頼らずこれらを活用することを決断すれば、日本はエネルギー輸出国にさえなれるのである。
また、電気自動車に通信機能を持たせ、全国の道路にその通信網を埋設すれば、自動車車間距離の自動制御や、緊急車両の通行コントロールも可能になり、交通事故ゼロ社会も夢ではない。本当に実現可能なのだ。
以上が講演会の主な内容であるが、三橋氏の政策は「デフレ解消!」「日本のインフラが危ない!」「日本の国の形を護る!」である。今日は主に1番目、間接的に2番目の話であったわけだが、3番目には触れられなかった。
街頭演説後の懇親会でその点を三橋氏に訊ねたところ、予想どおり「アブナイから」ということであった。実際、講演会でも街頭演説でも身辺警護と思しき、一般人と明らかに雰囲気の異なる方がいらしたので、そうではないかと思っていた。現実は甘くない。希望の道は確かにあるのだが、それを妨害しようとする闇の勢力は確実にこの日本に存在している。
しかしながら三橋氏をパイオニアとして後に続く「日本が大好き」で「日本を良くする」勢力は、今後ますます拡大していくだろう。いま、自分にできることは、そういう方達も確実に存在しているという希望を微力ながらこうして伝えることだ。
おそらく戦いは10〜20年以上続くだろう。いつの時代でも100%理想の政治は無い。それに少しでも近いものを現出させるためには、国民自身が「自分こそが政治の主役であり、構成員だ」という意識を持てる環境をつくりあげる必要がある。まずはネット、そして次はマスコミだ。
絶望は死に至る病、希望こそが前進するエネルギーなのだと思う。